フジミ・Honda VFR800P 警視庁白バイ仕様
2011年 09月 12日
いつ以来になるだろうかと考えてしまうほど久しく手を出していなかったフジミのプラモデル。個人的にタミヤばっかりしか作らない私がなぜフジミのキットに手を出したか。それは、このキットがメーカーの好き嫌いを超えて魅力的な車種だったからだ。そのキットとは、ホンダVFR800P、つまり「白バイ」だ。
<フロント>
<リア>
フジミにしては、実車の雰囲気が良く出ていると思う。昔はカーモデルと言うとモーターライズでシャシーが共通、太いランナーとヒケ、ディテールの甘さやラインの不正確さというものが目に付いたものだが、よく進化したものだと感嘆した。タミヤの病的なまでのディテールの追求と比較すると見劣りする感は否めないが、組んでしまうと違和感はそれほど無い。ただ若干ノッペリしてしまう印象もある。
実はこのキット、ナンバープレートが付いていない。これは買ってから気が付いた。キットの箱にわざわざ書いてあったんだけども、いざ買ってみて袋から出すまで全く気が付かなかったね。
そしてタイヤはプラスチック製で、定番の中空ゴムによる再現ではない。ホイールと一体成型で、完全に塗り分けによって再現する。ゴム用の金型はプラスチック用の金型に比べると高くつくという話を聞いたことがあるし、VFR800だと派生させるような有名車種も無く、単に白バイのバージョン違いで展開させる以外にない事を考えれば、こういった形でコストを削減するのもやむをえないか、と前向きに考えてみる。昨今の4000円を超えてしまうかのようなバイクモデルのキットばかりが多く出回っているのを見ると、こういったコスト削減は率直に歓迎すべきなのだろうか。
コスト削減は他の部分にも及んでいる。エンジンの再現が全く無いのだ。「どうせカウルで見えなくなるのだから」という発想なのだろうか。だがいざ組んでしまえば、エンジンがあるのかないのか、カウルの前部にわずかに開いた隙間からよくよく見なければ分からない。バイクモデルの概念を覆す思い切った冒険が出来るのは、今までバイクモデルをラインナップしていなかったフジミならではであろう。
ここまでくればやはり実車についても説明せねばなるまい。ベースになっているのはホンダのVFR、V型4気筒エンジンを搭載し、プロアームをアイデンティティとするどちらかといえばSSよりはツアラー寄りの性格を有するバイクである。見た目とは馴染まない、フレンドリーな乗り味が特徴である。
そんなフレンドリーなVFRが、熟練した白バイ隊員の手によって他の追随を許さない、公道で最も安全で、かつ最も速いバイクへと変貌を遂げる。まさに風のようなライディングテクニックと、鬼のような執念で違反車を追い詰める。その実力たるや子供も黙る、いや大人も泣くほどのすさまじい気迫である。風のようなライディングテクニックについては、YouTube等で閲覧されたい(「白バイ競技会」などで検索を)。
さぞや改造してあるんだろうと思いきや、実は速さに直結する部分はほとんど市販車と同じだ。変更点としては、前後サイドバンパーの装着、前後ブレーキへのABSの採用、ハンドルバーをアップハンドル化し、ステップ位置を変更、(都市部での運用を想定して)オイルクーラーの大型化、と言った程度のものだ。そのどれもがより安全に任務を遂行するための装備であったり、待機することも多い長い取締りでの疲労感を低減するためのものだ。すなわち、バケモノなのはバイクではなく隊員のほうだと断言できる。
そんな白バイを余す所なく再現したフジミの意欲作、おススメです。
<フロント>
<リア>
フジミにしては、実車の雰囲気が良く出ていると思う。昔はカーモデルと言うとモーターライズでシャシーが共通、太いランナーとヒケ、ディテールの甘さやラインの不正確さというものが目に付いたものだが、よく進化したものだと感嘆した。タミヤの病的なまでのディテールの追求と比較すると見劣りする感は否めないが、組んでしまうと違和感はそれほど無い。ただ若干ノッペリしてしまう印象もある。
実はこのキット、ナンバープレートが付いていない。これは買ってから気が付いた。キットの箱にわざわざ書いてあったんだけども、いざ買ってみて袋から出すまで全く気が付かなかったね。
そしてタイヤはプラスチック製で、定番の中空ゴムによる再現ではない。ホイールと一体成型で、完全に塗り分けによって再現する。ゴム用の金型はプラスチック用の金型に比べると高くつくという話を聞いたことがあるし、VFR800だと派生させるような有名車種も無く、単に白バイのバージョン違いで展開させる以外にない事を考えれば、こういった形でコストを削減するのもやむをえないか、と前向きに考えてみる。昨今の4000円を超えてしまうかのようなバイクモデルのキットばかりが多く出回っているのを見ると、こういったコスト削減は率直に歓迎すべきなのだろうか。
コスト削減は他の部分にも及んでいる。エンジンの再現が全く無いのだ。「どうせカウルで見えなくなるのだから」という発想なのだろうか。だがいざ組んでしまえば、エンジンがあるのかないのか、カウルの前部にわずかに開いた隙間からよくよく見なければ分からない。バイクモデルの概念を覆す思い切った冒険が出来るのは、今までバイクモデルをラインナップしていなかったフジミならではであろう。
ここまでくればやはり実車についても説明せねばなるまい。ベースになっているのはホンダのVFR、V型4気筒エンジンを搭載し、プロアームをアイデンティティとするどちらかといえばSSよりはツアラー寄りの性格を有するバイクである。見た目とは馴染まない、フレンドリーな乗り味が特徴である。
そんなフレンドリーなVFRが、熟練した白バイ隊員の手によって他の追随を許さない、公道で最も安全で、かつ最も速いバイクへと変貌を遂げる。まさに風のようなライディングテクニックと、鬼のような執念で違反車を追い詰める。その実力たるや子供も黙る、いや大人も泣くほどのすさまじい気迫である。風のようなライディングテクニックについては、YouTube等で閲覧されたい(「白バイ競技会」などで検索を)。
さぞや改造してあるんだろうと思いきや、実は速さに直結する部分はほとんど市販車と同じだ。変更点としては、前後サイドバンパーの装着、前後ブレーキへのABSの採用、ハンドルバーをアップハンドル化し、ステップ位置を変更、(都市部での運用を想定して)オイルクーラーの大型化、と言った程度のものだ。そのどれもがより安全に任務を遂行するための装備であったり、待機することも多い長い取締りでの疲労感を低減するためのものだ。すなわち、バケモノなのはバイクではなく隊員のほうだと断言できる。
そんな白バイを余す所なく再現したフジミの意欲作、おススメです。
by gramman
| 2011-09-12 22:08
| 模型
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