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トミーテック・LV-N89a 日野HE366型 カートランスポーター(緑)

TLVファン、そしてトラックファン待望の超大物がついに、満を持して登場した。情報公開以来数多のメディアに取り上げられ、2013年ミニカー界の話題をさらったのが日野HE型カートランスポーターだ。



このHE型はかつて日野自動車が展開した大型トラックで、当時の日野はシャシーによって車系の最初のアルファベットが異なっていた。すなわち大別すると、TおよびKはトラック、Hはトレーラートラック用トラクタとなる(厳密にはさらに細かく分けられるが、本稿では省略する)。HEは特にその中でも4X2セミトラクタに与えられた名前である。今作のHE366型は2代目のH系後期に分類される。HE型はトラック好きの間でも名車として認識され、映画「トラック野郎」にも劇中車として登場するなどいまなお愛される車体である。

トレーラー部は(株)浜名ワークス製のアンチコASZ022型である。この浜名ワークスは車両運搬車としては老舗であり、現在でも車両運搬車の最大手として知られている。上下2段で最大5台の乗用車が積載できる。



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外箱からしてまずその大きさがすさまじい。従来のTLVの箱と比してもその大きさは尋常ではない。そもそも普通乗用車を積載するための車両なのだから通常のTLVの外箱の数倍にもなるのは当然なのだが、分かっていてもその大きさには圧倒される。



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内部の梱包も通常の薄いプラスチックではなく頑丈な発砲スチロールである。昔のダイヤペットなどのダイキャスト製ミニカーを思い出させてくれる。



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トラクタ部はHE特有の堅実なスタイリングがよく再現されている。横を基調としたフロントグリルはその後のスーパードルフィン、現行プロフィアにも受け継がれる、日野自動車らしさを強調するアイデンティティになっている。公式発表によれば本作は77年のマイナーチェンジ以後のモデルを再現しているようだ。内装にもしっかりと彩色が施されているので、買われた方は小さい窓から中も確認してほしい。



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この年代のHEはハイキャブ仕様であり、280Zはもちろん、同時期のKBと比しても車高が高い点にも注目だ。比較のためTLV同士を並べてみた。



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トレーラー部は総ダイキャスト製で重量感あふれる仕上がりだ。精密さを求めるならばプラパーツやエッチングパーツを使う方法もあっただろうが、実際クルマを載せるとなればやはり強度が必要となる。これは「精密さを犠牲にしてでもクルマを載せてほしい」というメーカーの意思の表れではないかと勝手に解釈しているが、そのおかげで積載に必要な箇所は可動するし、上に3台載せたくらいではびくともしない強度を誇っている。可動部には昔ながらの金属製シャフトを使用し、信頼性も高い。側面のハシゴはプラパーツを使えばよりシャープな仕上がりになったのではないかと思うのだが、言われなければ気になるほどでもない。

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後部のスロープは緩やかで、車高の低いクルマでも安心して積み下ろしができる。内部も縞板が再現され、雰囲気が良い。

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実際に乗用車5台の積載が可能。トラクタとの連結部がデッドスペースになるのはもったいない。また、上部は大型車の場合2台しか積載できない。現代ではトレーラータイプならば最少でも6台は積載できるのが主流のようなので、少し積載能力は低いと言わざるを得ないか。しかしこの時代はこれがスタンダードだったのであろう。



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この内容で12000円(税抜)。これが高いか安いかは人それぞれだろう。しかしながらファン待望の1作なので入手したい人は多いに違いない。トミーテックがこの商品をある種の試金石として考えているのなら、これが売れればこの先の多様なトラックモデルの展開にも期待できる。ぜひ皆さんに買っていただきたいと個人的には思う。

さらにトミーテックが意欲的に西部警察シリーズを展開していることを鑑みると、もしかしたらこのトレーラーを基に全国縦断ロケなどに使われた「西部警察トランスポーター」を再現しようとしているのでは、と想像しているがその想像は当たるかどうか。
Commented by いなばん at 2014-02-14 19:22 x
自分はZMダンプ(出してくれるなら後期型)か、スードルダンプ(2デフ仕様のFSで)を出してくれる日を待ちわびてます。
Commented by gramman at 2014-02-14 20:50
数々の旧型トラックのメーカー承認を獲ってきたトミーテックなので、いつか出してくれるものと信じて気長に待ちましょう。
Commented by スーパードルフィン at 2014-06-25 22:35 x
私も同感です、免許取っていきなり乗ったのは、スーパードルフィンなHEに憧れて、牽引免許取得しました。
by gramman | 2014-02-09 20:57 | ミニカー | Trackback | Comments(3)

クルマと模型バカによる終わりなき妄言の全記録


by gramman
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