タカラトミー・トミカギフトセット 緊急追跡!覆面パトロールカーコレクション
2023年 03月 26日
2023年3月のトミカギフトは人気のパトカーセット。流通が安定しないと店頭ではおそらく入手できないだろう。だがどうもこのセット、実車でも劇用車でも見たことがあるような覆面パトカーが入っていて一癖も二癖もありそうで・・・。
どうだろう、このラインナップ。S13シルビア、A70スープラ、220系クラウン、R35GT-R。特に箱に解説もないのでセットのコンセプトは推量するしかないが、全く意味が分からない。4台まとめて置いてみてもまとまりに欠ける。ただ個の力は強いので1台ずつ見ていこう。
一発目から度胆を抜かれるまさかのS13シルビアの覆面パトカー。パトカーマニアならばピンとくると思うが、90年代前半に警視庁に有名なS13シルビアがあり、所属は警備部の機動隊、用途は「エリア警戒車」なるテロ行為等を未然に防ぐことを目的に配備されたクルマだった。存在が発覚した時は「走り屋摘発用か?」などとクルマ雑誌がザワザワしたものだったが、グレードもQ'sであったし全くそういうことではなかった。
A70スープラの覆面パトカー。鮮やかな青色ボディは警察車両らしさが全くない。なんだかシルビアの影響か、これもエリア警戒車なんじゃないかと思えるようになった。しかしいくら機動隊とは言えそこまで秘匿性が高い必要があるのか?警視庁のパレードの参加している場合なのか?そもそもテロリストをマークするのは公安の仕事ではないか?・・・等々疑問が湧く。
こちらもシャシー裏面を見る。2018の刻印があるので元はイベントかあるいはイオン、アピタ等のショップ限定モデルだったのだろうか。検証のためトミカプレミアムのスープラと並べてみたが、バンパーはおろかボディ形状も全く別物だった。
おそらく4台のうち唯一の実車が存在するパトカーがこの220系クラウン。交通用も覆面も幹部乗車用の捜査用覆面車も存在する。従来の交通取締用車両では3000cc級以上のエンジンでなければならなかったところ、2020年の仕様改定により最高出力が150kW以上なら2000cc級以上でも可と変更、無線警ら車も最高出力が135kW以上なら2000cc級以上で可に変更になったため、トランクの容量など細部もクラウンがクリアできたためパトカーに採用されたとの経緯がある。都道府県警に広く配備されているため、このモデルも特定のこのクラウンを再現、というわけではなさそうだ。
登場時はハッチバックだのクーペだのいろいろ揶揄されたボディラインもすっかり見慣れてしまった。余計な心配だがクラウンはモデルチェンジでSUVになってしまったし、パトカーの要件を満たすカムリは海外専売になってしまったし、この先パトカーはどんな形状になるのだろうか?アメリカのようにSUV車、ミニバンが積極的に採用されるようになれば車種選択に困らないだろうが日本の役所がそんなに柔軟だろうか?との疑問も残る。
最後がやっぱり実車の存在しないR35GT-Rの覆面パトカー。栃木県警に交通取締用白黒パトカーが寄贈されて話題になったが、赤色灯が助手席側に装着されていることからも反転式警光灯ではなく脱着式だ。これは横浜あたりでサングラスをかけたあぶない二人の刑事の一番新しい映画っぽい。
・日産 シルビア
ただし件のエリア警戒車は塗色がかなり鮮やかな純正青色であったのに対し、真っ黒なのは確信犯だろうか。またエリア警戒車では専ら暗いと評判のプロジェクターヘッドライトであり、このモデルは通常の角目な点も異なる。余談だが当時の警視庁のエリア警戒車はかなり異色で、S13のほか一般車ですら珍しいマツダMX-6も有名だった。現在ではトヨタSAIなど街中に溶け込むような車種を選択しているようだ。
・トヨタ スープラ
実車にも埼玉県警にA70スープラ3.0GTのパトカーはあったが、塗色がしっかり白黒ツートンで覆面車ではなかった。TLVでもラインナップされたので有名な1台だろう。
しかもこのスープラ、赤色灯がなぜか微妙に助手席にオフセットされ何ともキモチワルイ。と思ってネットを漁っていたら、シルビアのエリア警戒車は「赤色灯をルーフに固定するピンがセンターではなく若干助手席側にオフセットされていた」との記述が。もはやここまでくるとタカラトミーの開発担当の狙いが都市伝説並みに何を信じていいのか分からない(褒め言葉)。
・トヨタ クラウン
・日産 NISSAN GT-R
by gramman
| 2023-03-26 23:01
| ミニカー
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